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下野友嗣 /Yuji Shimono 「mature Answers to Existential Problems 4/24 04 2023」
¥55,000
下野友嗣は、錆を主な素材とし、「鉄を 食べるバクテリアの種類が地球上の全生物の祖先」という説を信じて表現を試みる作家です。錆を内部(内的世界)と外部(外的世界)の接続部分であり、内的世界が外部に現れる様、その痕跡と捉えます。 それは、彼自身の子供時代の遊びの中に見出され、また 19 年前の阪神淡路大震災の被災体験、そして大学時代、病床の母への回復を祈り開催した初個展とその制作に遡ります。「病気がどんどん進行していき、衰えていく母親をみて、死を身近に感じました。 同時に助けたいと思い物理的には、無理とわかっていながらもいい作品を作ると助かるように感じて、熊の作品を作り続けました。 熊 ( シャーマン ) が助けてくれるような気がして。」 しかし、母が他界した後それは作家にとって虚ろな像となったと言います。その後は鉄錆の美しさを主体にし、他の素材と組み合 わせた鉄錆独特の現れ、還元などの化学変化を応用し表現を試みました。そう して熊をはじめとする生き物のモチーフは、作家にとって願いの象徴から、自身の祈りの痕跡へと変遷していきます。 【UP CYCLE CHARCOAL ART PROJECTについて】 様々なアーティストによるSDGsプロジェクト「UP CYCLE CHARCOAL ART PROJECT」の第一弾として、廃棄されてきた服の裁断片から生まれた「再生繊維炭」を画材に、6名のアーティストがそれぞれの表現に挑戦しました。 日本の衣料廃棄物は年間 50万㌧を超えると推計され、焼却・埋め立て処分されるのは 90%以上。炭という素材へと再生し、アーティストの発想で新たな作品へと生まれ変わります。 下野は、この繊維から再生された炭を、砕いたり染料のように使うより、科学実験のように最終的にどうなるのかわからない方法で再生炭を使いたいと考え、自身の制作方法で、チタンやステンレスの色を変えたい物質と一緒に熱を加える事で色が変化していく事が出来たことより、再生炭でも出来ないかと思い実験しました。結果は殆ど色の変化なく終了。結論としては再生炭の素材的に光を通しにくいため、色が変わりにくかったのが一番の原因ではないかと考えました。絵の具作りとは実験の連続。下野は、このプロジェクトから絵具屋さんの偉大さを痛感したといいます。 「mature Answers to Existential Problems 4/24 04 2023」 2023年制作 水彩用紙 鉄錆 墨 アクリル 石油系塗料 再生炭 油彩 290×210 額装込み 作品は、EARTH+GALLERYにて展示 会期 :2023年4月1日(土)〜 小部屋展示スペースと2階一部スペースにて常設 OPEN :木・金・土・日 TIME:12:00〜18:00 CLOSE:月・火・水、貸切展示イベント時 ※詳細はHPまたはSNSをご覧ください。 会場 :EARTH+GALLERY (東京都江東区木場3-18-17 1F)
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下野友嗣 /Yuji Shimono 「shaman 6/8 04 2023」
¥150,000
2023年制作 水彩用紙 鉄錆 墨 蜜蝋 ダンマル アクリル 石油系塗料 油彩 サイズ:1120×880 シャーマン 「シャーマン」は2010年に制作した「あいさつをする熊」と全く同じ熊の形を切り取った鉄板を使い制作しています。何が違うのかと言うと、人間も含めてすべての生物はモノタイプの版画であると考えて、人工的に作られた合成樹脂で塗りたぐられた紙をくちゃくちゃに丸めて広げる。その画面の上にそれぞれの動物の印鑑を押す。また、ドーキンスの「利己的な遺伝子」の本の中に書かれている自己複製子が延長された表現形態「ミーモ」のように類似する物として生成されていき、それぞれの絵の画面から太古の昔、何もない地球の大地から生命が生まれたように萌芽を願い制作しました。 (今回展示の新作すべて同じ考え方です) 今回の熊は、「あいさつをする熊」と同じ考え方で、贈与の象徴的な動物の熊を画面に印鑑しており、熊の周りの白い膜はアクリルメディウムが科学変化して色が変わったものであり、画面の世界と見る鑑賞者を繋ぐものであり、人間には観測できない暗黒エネルギーを表現しています。
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